赤城大沼氷上ワカサギ釣り

氷上を歩くコツとアイスドリルの使い方

氷上を歩くためのこつ

氷を歩く親子

  普段降雪や積雪の無い地域で暮らしている方は、滑りやすい氷や雪の上での歩行は慣れていないと思います。一年のうちで数か月も雪と付き合う地域で育った私や近郊の方々は、雪の無い滑りにくい場所と雪や氷の上や山菜やキノコ狩りでの泥濘(ヌカル)んだ斜面では、意識せずとも歩き方を変えています。

  

  滑りやすい場所での歩き方は、言葉や文字で表すのが難しいのですが、端的に言えば『膝を伸ばし切らない』事です。普段歩く時、右の足が前方に着地する瞬間、残された左足の膝は完全に伸ばし切った状態にあると思います。この状態からだと、右足が着地したとの同時に体重を乗せてしまいますから、右足の着地した場所の滑りやすさや残された左足が滑り出す事もありますいね。では、膝を伸ばし切らずに歩いた場合はどうでしょう?実際に一歩を踏み出してみると、残された足は伸ばし切った状態ではないので、瞬時に伸ばす事も曲げる事も出来ますよね。

 

 また、足運びは、先に足の指の付け根付近から着地してから踵を着け体重をかけてゆきます。こうする事で体重を掛け始めてから、足が滑り出しても残された足に体重を戻し転倒を避けたり、着地先を踏み抜いた場合(薄氷の穴やトタン屋根など)でも瞬時に残された足を曲げて座り込んでしまう事により、転倒や落ちる行為を軽減する事が可能です。『猫が一歩づつ足の置き場を確認している』ように、着地から体重を乗せきるまで足裏の感触を感じ続けることです。

  

 さて、平らな湖の氷では上記の様な歩き方をせずともスパイクがあれば普通に歩けます。予算のある方は、スパイク付きの防寒長靴や軽アイゼン/ワンタッチスパイクなどを購入するといいでしょう。また、簡易の方法として厚手の靴下を靴の上に履く方法もあります。難点は、吸水して凍ってしまうと歩き難いのですが、急場しのぎにはいいでしょう。

  

以下を未読にする為の まとめ

● 歩行は、膝を伸ばし切らないこと。

● 道具が揃っていなくても、レンタルで間に合う事が多い。

● スキー/スノボのウェアは優秀なので活用する。

● カイロでの低温火傷に注意する。

道具の固定と荷崩れ

ソリの曳き痕

 氷上の移動は、荷物をザックや背負子に入れて背負うか、ソリなどに積んで引き歩くかになります。荷物をザックや背負子に入れているなら、荷物を落とす事は少ないのですが、ソリやソリ付きの小屋(テント)に入れて移動する時は注意が必要です。

  

 湖の湖面は道路や岸辺などより低い位置にありますから、必然的に斜面を通らなくてはなりません。この時、積み込んだ荷物の安定が悪いと、ソリなどから転げ落ちてしまう事があります。新雪の積もった時などは落下音もしませんから、ポイントに着いた時や帰り支度の際に『どこかに落とした!』となるのです。

  

 荷物は可能な限り個数を減らす工夫を行いましょう。クーラーボックスやタックルケース/キャリーバックなどに集約して詰めるのが最良です。また、子供用のソリなどを用いる場合は、自転車の荷カゴ用のゴム製のネットなどで覆ってしまうと安心ですね。

 

ポイント!

● 氷上へのアプローチは、緩斜面を選ぶこと。

● 荷崩れしないように、ネットやバンド類で固定すること。

● 貴重品は、服のポケットに入れておくこと。

● 落としたら、まず発見できなし忘れ物等で届けられることはない。

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ポイントの選び方

湖上のテント村

 ポイント選びは、基本的にボート釣りと一緒です。人の集まっている所がいいでしょう。

 

 気温の高い時期と比べ、結氷した湖の中は湖底の深い所や浅い所も概ね水温は一定で、酸素の量も湖底深くまで供給されていますから、気になった場所やひらめきを頼りに、ポイントを定めても面白いかもしれません。人の群れからポツリと独り離れても、上がってみれば大釣りした事も時々あるのですから。。。

 

ポイント!

● 空き穴は、便利に使う。

● 新規で穴をあける場合、既存の穴とは20cm以上距離をとること。

● 湖沼のルールで決められた最大直径以上の穴はあけないこと。

       

釣り穴について

魚探で魚のを探す

 実際のフィールドをよく観察してみると、テントから出て隣人と立ち話をする人や釣れなくなって移動を考えてる人が魚群探知機を持ってウロウロしている事に気が付くと思います。基本的に魚群探知機は、氷の下まで入れて魚の有無や水深を計測するのですが、彼らを良く見るとアイスドリルを持っていない方も多いのです。

 

 更によく観察すると、彼らは他人が開けた穴や薄氷に覆われた前日の穴の氷を足で割って利用しているのがわかると思います。解禁当日や誰もいない場所ではアイスドリルが必要ですが、ドリルを持たない方が穴の移動を行いたい場合、他人の開けた穴や前日の穴を利用して釣るのも一つの方法ですね。

 

 なお、前日の穴を利用する場合、割った氷を除去しても穴の縁に不規則に氷が残ってしまいます。魚群探知機のセンサーを入れるだけの大きさでは釣り用の穴としては不十分ですから、事前にノミなどをタックルケースに入れておくといいでしょう。また、穴の数や穴の大きさ、穴同士の距離なども湖沼毎に制限がありますから、遊漁券を購入する時に確認しておきましょう。

 

ポイント!

● 前日の空穴を利用する場合、踵で薄氷を割って使う。穴の縁に氷が残るので、ノミやドライバーなどで砕くとよい。

● 穴の周囲が汚れている場所は使わない。

穴あけの実際

  

 まず、フィールドでドリルを貸してもらう事は避けましょう。ドリルの命は『先端の刃の切れ味』です。湖の氷は、一見不純物が少ないように感じますが、湖畔の道から風で吹き込んだ砂粒や持ち帰りを忘れた空き缶。瓶や風で飛ばされた仕掛けなどが含まれています。通常、刃先はこの不純物にあたり徐々に切れ味が落ちてゆくのですが、ときどき小石や空き缶などに当たってしまい一気に切れなくなってしまう事もあるのです。自分で使用していたなら諦めも付きますが、貸したドリルが切れ味が落ちて戻って来た場合、お互いに気まずい思いをしてしまうのです。

 

 さて、ドリルの使い方は簡単です。クランク部とドリル部のネジをしっかりと閉め、氷に垂直に立てましょう。 はじめはユックリと回転させ、ドリルの先端で氷に窪地が作られたら、回転速度を一定に保つようにして回転させるのがベストです。ドリルの自重と刃先の角度から、ドリルは自然に食い込んでいきますから、体重を掛けて押し付ける必要は不要です。

 

 アイスドリルでも工業用/DIY用のドリルでも、抜け仕舞いに噛みこむのが特徴です。ドリルの刃先は回転する中心部と縁の部分では高低差がありますから、先端部が氷を抜けても外周の刃はまだ氷を抜けきっていないのです。この時、回転がロックしたようになりますが、一旦逆回転をさせてドリルを抜いた後、再度ドリルを回転させて貫通するようにしましょう。

  

 ドリルが貫通したら、穴の中のかき氷を書き出すようにドリルを上下させます。大半の氷を排出出来たら、速やかに刃先にカバーをして、他の方が危険に晒されない様に配慮しておきましょう。

 

ポイント!

● アイスドリルの刃先カバーは使用時しか外さないこと。

● ドリルの刃先を出たまま横倒しにしているテントに子供を近づけないこと。

● ドリルは、視界に入る場所に置いておくこと、盗難が多い。

       

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